2012年4月25日水曜日

サンゴ礁の環境(オニヒトデとサンゴ)


サンゴ礁の環境(オニヒトデとサンゴ)


サンゴ礁の環境 (オニヒトデとサンゴ)

◎ 「サンゴやサンゴ礁を守るため」という目的でオニヒトデの駆除、退治が各地で行われています。
  さて、本当にオニヒトデを退治(殺す)というのは正しい行為しょうか?

これらの内容は、"海洋や自然環境、鯨類やサンゴをはじめとするたくさんの生きもの
から教わったことをまとめています。

 以前、私もオニヒトデは悪者でサンゴの敵だと思い、捕獲していたことがありました。
そして、多くの人にもそのように説明したことがありました。
しかし、長い間サンゴやサンゴ礁を見ていると、海のいろいろなことを教えられ、見えてきました。

 サンゴを食い尽くすような大量発生状態ではない、普段の健康なサンゴ礁にはポツリポツ� �と一定間隔でオニヒトデを
見掛けます。
このようなオニヒトデはサンゴ礁でいったいどんな役割を担っているのだろう。
その答えを求めながらサンゴを食べている魚、棘皮動物、貝類などの仲間を観察していた時に、ハッと、その答えが
見えました。

普段、サンゴ礁に点在して生息しているオニヒトデは、環境の悪化や変化に弱く、同時に成長が早いサンゴを
部分的に点々と食べている(主に群体すべてを食べ尽くしていない)のが見掛けられていました。
しかし、同種で同じようにサンゴを食べて生きているマンジュウヒトデは移動した跡が1本の白い道筋となり、無秩序なく
サンゴを食べた跡がクッキリと残っていました。
オニヒトデとマンジュウヒトデ、この違いは何を意味するのか。

また、オ� ��ヒトデを含め、一部の生物は、なぜある一時期だけ大量発生しなければならないか。。

そして、サンゴ礁の絶妙な自然によるバランスのとりかた。サンゴの強かさ、魚類よりも優れた環境適応力を見て感じ、
オニヒトデによる食害は自然界では必要なものの1つであるということを教えられました。

それとともに、様々なサンゴ礁域を泳いでいると、島々の沿岸域は私たちが想像する以上に陸からの影響を受けている
ことも教えられました。
その地域の陸域からもたらされる栄養(有機物)、毒物、また特に多くの船が集まるところについては、船底塗料など
船からまき散らされている毒物等についても考えなければならない主要な問題です。

さて、サンゴやオニヒトデについては、まだまだ沢山の疑問が出て� ��ます。
では、これから私なりに説明させていただきます。

その後、まず偏見を捨ててあなたの目や持っているすべての感覚を使って確かめて下さい。
ほんとうにサンゴ礁や自然を守るためにはどうしたらいいのか。。。
私たちは、海や自然とのつきあい方をこれからどうするべきなのかを。。。

ここに記載する内容は、私がサンゴやオニヒトデ、鯨類、海洋、自然環境から教えられたとこを記載しているものです。
 サンゴやサンゴ礁の減少、オニヒトデの増加等の海洋環境の変化に大きく影響を与えている原因はなにか。
 「私たち人間が引き起こしている海洋への環境汚染問題」について考え、今、何をすべきなのかを一緒に考え、
 それを提言しようとしていま� ��。

・オニヒトデやサンゴ礁の生物以外にも、船底塗料・除草剤などの農薬や有機物、家庭で使う洗剤や除菌剤などにも
 目を向けて下さい。
 小さな動物や植物は、我々の想像以上にそれらに対して大きなダメージを受け続けています。
 人間活動の影響をあまり受けていない場所と影響を受け続けているサンゴ礁の違いを見てみれば一目瞭然でしょう。

・また、1998年に沖縄のサンゴ礁は80-90%白化現象を起こし、そのほとんどが一旦死滅、または死んだようにました。
 その後、数年でそのサンゴが完全に回復したといえる地域と、いまだにまったく回復せず、回復の見込みがない場所の
 違いを知ることがとても重要なことだと思いいます。
 その内容から、オニヒトデやサンゴの大規模な白� ��現象からサンゴを守る方法がきっと見えてくることでしょう。


近年、大規模に起きているサンゴ白化現象やオニヒトデの異常な増加。
それらが周辺海域で起きているにも関わらず、まったく起きていない、影響を受けていない海域があるとのことです。
なぜ、そこでは起きないのか?
また、どんなところで次々とオニヒトデが増加し、サンゴの様々な病気を含めサンゴ礁の環境悪化が起きているのか。
その謎を解き明かすことこそ、すべての生物を守ること、本来の意味での地球環境を守ることにつながるでしょう。


◎サンゴとサンゴ礁

Q:サンゴってなに?
サンゴ虫と呼ばれる小さな虫の仲間で、動物です。海水中に溶け込んだ炭酸カルシウム(石灰)を体の周りにくっつけて、
家(骨格)を作っています。
その家から手を伸ばしてプランクトンなどを捕まえて食べています。
サンゴ礁の浜では、たくさん打ち上げられたサンゴの骨格があるので観察してみて下さい。よく見ると穴がいっぱい。
その穴の中の1つ1つにサンゴ虫が住んでいたのです。
クラゲ、イソギンチャクと同じ刺胞動物(しほうどうぶつ)という動物の仲間で、毒を持つ刺胞細胞を触手にたくさん持って
います。
それを海水中に伸ばし、プランクトンやゴカイなどを補食しています。
また、体の中に褐虫藻(かっちゅそう)� �いう小さな生物がすんでいて、その微生物からも栄養をもらっています。


Q:サンゴとサンゴ礁って どうちがうの?

サンゴは小さな虫、動物の仲間のこと。(上記の説明)
サンゴ礁は、サンゴが生育する場所や地形のこと。
(サンゴの仲間にはサンゴ礁を作らないサンゴもいます。また、深い海やサンゴ礁ではない場所に住むサンゴもいます。
ネックレスやブローチに使われている宝飾サンゴは深海に生きるサンゴの仲間です)

Q:サンゴ礁はどのようにしてできるの?
サンゴ礁は、長い年月をかけサンゴなどが生育(生死)を繰り返し、その積み重なりで成長してできあがっていきます。
造礁サンゴの仲間と石灰藻類(せっかいそうるい)が主にサンゴ礁を造っています。

Q:サンゴはどのようにして増えてるの?
仲間を広範囲に広げる� ��法として、サンゴは産卵と呼ばれているように、初夏から夏にかけ、主に精子と卵子の入った
カプセルを海水中に放出する「放精放卵」という増殖方法をとっています。
また、大きくなる方法として、サンゴ(虫)は分裂(ぶんれつ)、または出芽(しゅつが)という方法で、自らのコピーを増やして
いき、大きくなることもできます。


地形図の等高線は何ですか

海水中に放たれた精子と卵子は、海水中で受精し、数日から数週間経ってプラヌラと呼ばれるプランクトン状態のサンゴの
赤ちゃん(幼生)になります。そのプラヌラが居心地の良さそうな海底の岩などに着床し、サンゴとしての成長を始めます。
また、サンゴの折れた枝、割れたサンゴが岩や海底にくっついたり固定され、そこからどんどん成長していくこともできます。

Q:サンゴ礁ってどんなところ?

私たち人間が住む陸でいうと、オアシスや森のようなところ。
熱帯・亜熱帯の外洋の海が砂漠のようなところ(栄養分が少ないと共に生物も少ないので透明度が高い)なのに対し、
サンゴ礁は栄養分に冨み、地形が複雑� ��のでたくさんの生物がそこに住み、大きな魚の産卵の場所や保育園みたいな
ところとなっています。
サンゴは動物ですが、共生する褐虫藻がすむお陰で、二酸化炭素を吸収し、酸素を放出しています。
陽があたらない夜間は少量の二酸化炭素を放出していますが、これも森と同じですね。
(褐虫藻というバクテリアが植物の葉緑素をもち、二酸化炭素を吸収しながら栄養を造りだしています)


◎偏見を取り去ろう

ゴキブリって気持ち悪いとか嫌いな人が多いですよね。
 以前、北海道在住の友人がゴキブリを見て、「わぁ!きれいな虫!」って言ったことがありました。
 ゴキブリやダニなんかも地球に住む住人。とても大切な役割を担って生きています。
 なにごとについても、見かけだけで判断してはいけません。
 まるで人間は動物や自然の一員ではない見方をしておられる方もおられるようですが、決してそうではありません。
 この小さな地球に住む生物の一員であり、人間だけでは決して生きていくことは出来ません。

まず偏見を捨て、実際のサンゴ礁の環境を観察してみてください。
 ものごとに偏見を持つことはとても怖いこ� �です。あなた自身が実際に眼や感覚で確かめて判断しましょう。

この地球に無駄な(不必要な)は存在しません
 自然は私たちが生きるためのバイブル(教科書)です。
 すべてに意味があり、それらを学びとらなければなりません。
 学校でももっと自然環境や生きものについて教えるべきですよね!

バランスが一番大事なこと
  例えば、体に良いという物、そればかりを食べたり飲んだりしていたらどうなるでしょう?
 きっと、病気になったり、いろいろなところに不調が出てきて、正常ではなくなりますよね。
 
 以前は、全てにわたり害がなく安全といわれていたフロンガス。
 あまりにも極端に多く使われたがため、大気圏のバランスが崩れることとな り、取り返しがつかなくなりました。
 もし、フロンガスを継続的な少量の使用だったとしたら、現在のような状況にはならなかったでしょう。

 現在、オニヒトデは主に人間の経済活動の影響を受け、そのバランスを崩していると一般的に考えられています。
 まず経済優先という目先、偏った報告、調査、意見などに惑わされずに自身で考えて下さい。
 
 オニヒトデも海のバランスが崩れ、傷んだサンゴやサンゴ礁、それを正すために懸命になっているのではないでしょうか。
 特にサンゴの病気がようやく話題、問題になってきましたが、その病気を治せるのは、私たち人間でしょうか?
 私たち人間がやらなければならないこと。それは、サンゴや海浜・海洋動植物に悪影響を与えているものを排除
 しなければならないことなのではないのでしょうか。
  
自然のシステムを工場の機械に例えてみましょう。
  地球の全ての生物は1つの大きな工場の機械と仮定しましょう。元素や物質などは原材料。
 その材料の質やいろいろな条件により、いつもその機械が正しく動くとは限りません。
 たまには故障もするでしょうし、機械の部品が壊れてしまうこともあります。
 もちろん、そんな時は誰かがその機械を修理して、また正常に動くようにしますよね。
  進化や適応という生物の過程も同じで、そのような時にでも正しく動くように発達してきました。
 地球に存在するすべての生物が壊れた機械を修理し、壊れた部品を作り直す仕組みをどこかに持っています。

 地球上に存 在する病気や伝染病なども、必ずこの地球の中に薬や治療薬がありますが、今は、それを私達が
 見つける前に消滅させてしてしまいそうな勢いで自然がなくなっている状態といえるでしょう。
 
  また、海を地球の血液として例えることもできます。
 オニヒトデは人間の体で例えるなら、その血液の中でゆっくりと体中を駆けめぐり、細胞の異常や病原菌などを
 探し回る白血球に例えることができます。
 もし、身体や血管に異常を見つけた場合、しばらくするとその部分に一斉に白血球が集まり、その傷や異物などの
 問題となる箇所の修復にかかります。
 一個のサンゴ虫が遺伝子に異常をきたすような状態になるということは、その分身、同じ遺伝子を持つその群体
 、サンゴ虫はいつまでも危険な状態がそのまま続くということがいえます。

 私達人間が大惨事と考えている被害!?からの回復と復元
 そして、山火事や噴火など様々な自然災害に見舞われた世界中の土地も� ��私たちには想像もつかないほどの
 スピードでもとの姿や、その自然に適応する環境にもどっています。
 自然にはその自然を回復するシステムが整備されているのです。

  また、それぞれの生物は外敵に対し、防御の手段を持つようにも進化・適応してきました。
 原始的な生物であるサンゴも例外ではありません。一部のサンゴは、人間でさえ強烈な痛みを与え、撃退することが
 出来ます。
 また、サンゴの仲間であるイソギンチャクの一部はオニヒトデを食べ尽くすものもいるようです。
 ホラ貝はオニヒトデを食べることはよく知られていますが、元々の生息数から考えても、オニヒトデの大発生を食い止める
 ことは不可能です。(現在はほぼ絶滅したといえる状態です)

・サンゴとオニ� �トデは、人間がこの地球に現れるずっと以前、数万年どころか数百万年も前からともにこの地球に
 生きています。(化石からの推測)
 しかし、サンゴとオニヒトデの関係は、現在に至るまで、まったく変わってはいないようです。
 もし、本当にオニヒトデがサンゴの外敵だったとすると、その関係が共に変化(進化・適応)していくのが当然でしょう。

台風でひっくり返ったサンゴ、折れたり崩れたサンゴ、見た目にはひどい状態となっていますが、そこにも
 サンゴが発達、生育し続ける必然性が隠されています。
 (下で詳しく説明します)

  主に、サンゴ礁を形成、発達させるサンゴは数百年、数千年またはそれ以上長生きし、生育していると言われています。
 普通、いくら原始的な生物と いえども、そんなに長生きする生物は、この地球上に存在すると聞いたことがありません。
  では、サンゴはどうしているのか?
 環境の悪化、サンゴの白化現象やオニヒトデ等の食害により、すべてが死んだように見せかけて、じつはサンゴの一部
 個体が生き残っているのが見られます。
 白化現象やオニヒトデ食害による被害を受けたキクメイシやダイオウサンゴなどが、1〜2年という短期間で、あっという
 間に復元しているのを見掛けています。


アサリとムール貝の違いは何です

・サンゴにとっても自然はなくてはならないものです。
 もし、台風やオニヒトデがなくなるとどうなるでしょう。サンゴ礁はいつまでも美しいままでいられるのでしょうか?

・すべてが必要だからこそ、"サンゴとオニヒトデ"その関係が変わらないのです。

・自然のバランスをとって(とろうとして)いる生物を殺すことが、正しい行為と言えるでしょうか?!
 (一体、この地球・自然のバランスを崩しているのは、どの生物なのでしょうか?)

・八重山では島の周辺海域に見掛けられた貝や魚、海藻など様々な生物が近年もの凄い勢いで減っていっています。
 目に見える汚染もその原因の1つですが、それ以上に目� �見えない汚染。これらの影響力がかなり強くなっている
 ようです。
 農薬(除草剤)、化学肥料、船(主に船底塗料)、家庭や工場、牧場の排水など。
 それらが恒常的に流れ出ているところのサンゴ礁は無残なもので、勇気塩類等を閉じ込めるためアオサ等の海草類が
 繁茂し、赤土を含めそれ以上に汚染が酷くなると生きた生物はほとんど見られない環境になっています。

 10数年前までは大自然の原風景が見られた八重山が、目覚ましい発展、進化を遂げ、これまでに多くの自然を
 犠牲にして、どんどん都会化し、いろいろなものが出来て便利になろうとしています。
 
 はたしてその代償は、ほんとうに価値がなかったものだったのでしょうか。。。
 早く気づき、食い止めなければ� �らないこと。重要なことが発展や経済活動の裏に隠されてしまっているのでは
 ないでしょうか。
 将来の地球や私達の子孫のために必要なものは何かを考え、早く行動しなければ取り返しがつかないことと
 なってしまうでしょう。


◎実際に見てみよう!


・サンゴ礁の環境を考える場合、サンゴだけではなく、そこに生活する動物や植物も含めて考えなければなりま
 せん。

・サンゴも陸の生物同様、他の生物なしには生きていくことが出来ません。

・また、サンゴの外敵(海洋生物)は、ブダイやチョウチョウウオの仲間など魚類数種、数種の貝類と数種のヒトデ
 などがいます。

・サンゴもほかの生物も絶妙なバランスを保ちながらサンゴ礁を発達させています。
 そのバランスが崩れてきているために、オニヒトデが異常発生しているのではないかと考えている方々がおられ
 ますが、もし、そうだとしても、その結果を操作しても、その原因解決には決してなりません。

・オニヒトデは、サンゴの状態を知るために普段からかなり少数ではありますが、� �々とサンゴ礁に生息しています。

・サンゴ礁の環境という点からみると、そこに生育するすべてのサンゴや生物がその場所のサンゴ礁には必要な
 のですが、年老いたり、細胞(遺伝子)に傷ついたりしたサンゴは生育も鈍くなり、その周辺サンゴ礁域環境の
 悪化(サンゴ礁発達の阻害)をまねきます。

・オニヒトデはサンゴや石灰藻類に隙間なく埋め尽くされたサンゴ礁に、また新しくプラヌラを送り込むために、そし
 て、サンゴ礁を発達させるために必要なもの
だとも考えられます。
 ミドリイシ類などの成長の早いサンゴ(オニヒトデが好み、環境変化に弱い)は、サンゴ礁の発達から考えると
 その妨げになるともいえます。しかし、それらが死滅、または成長が阻害されることにより、核と� ��り、直接的に
 造礁性の高いサンゴや藻類が発育でき、サンゴ礁の成長を促進する。という考えも成り立ちます。
 
・オニヒトデがサンゴの世代更新の必要な時を知り、何らかの誘因物質を出し、大量発生へと導く ものと考えら
 れます。

・そして、忘れてならないのが、「過去何百年、何千年もの間にも、「約20年おきにオニヒトデ大発生が起きていて、
 その地域の多くのサンゴは死滅するが、しばらくすると、また健全なサンゴ礁に戻っている」ということ。

・近年においても、すでに数回それが繰り返されていて、海洋環境の悪化が起きていない限り、「また健康なサン
 ゴ礁に戻っている」のです。
・また、オニヒトデに限らず、他の生物や、台風、白化現象等が起きた場合も同様の� ��とがいえます。

オニヒトデを退治することで、さらに先を考えた場合、もっと深刻な問題が発生する可能性があります。

・オニヒトデは、自然にそって、その必要のあるサンゴを捕食するよう遺伝子にプログラムされています。

 中途半端な駆除を続けると、その行為が全うできないため、いつまでもオニヒトデの発生が続くことにもなるで
 しょう。

 また、オニヒトデが陸からの何らかの物質で攪乱され、大発生のメカニズムが狂わされているのかも知れません。
 もし、そうだとすると、行わなければならないこと。それは、オニヒトデを殺すことではなく、その撹乱物質の究明と
 そのものの排除ではないのでしょうか。

稚オニヒトデは、サンゴではなく藻類のみを食べていることが報告されています。
、サンゴが産卵し、幼生(プラヌラ)が着床するには、その藻類が岩などに繁茂していると障害と なります。
 また、「その稚ヒトデは岩などの光が当たらない所で藻類を食べていて、サンゴの生育には向かない場所だ」と
 調査研究しておられる方は反論しておられましたが、多くのプラヌラは最初にそのような場所に着床し(降り立ち)
 ています。
 (特に骨格を持たないかまだ持っていないサンゴにとっては紫外線が一番の危険因子となります)
 


 ◎ 地層を見てみよう

・サンゴ礁は、主にサンゴの骨格の積み重なりによって成長していきます。
 下の写真は、石垣島の大浜, 崎原公園内にある"津波石"の部分写真です。
 大きな津波(約450年前)により陸に打ち上げられたものです。
 津波で転がされてこの場所まで流されたものだと考えられますが、水中であったであろうそのままの状態で
 現在もその姿を見ることができます。。
  このサンゴの岩は、礁から少し離れた場所の岩等に着生したサンゴがせめぎ合い著しい成長をみせ、
 将来小さな島になりえる地形を水中で造り上げている課程のもので、一般に"根"と呼ばれているもの。
 それが大きな津波で陸に打ち上げられたもので、純粋にサンゴ礁域でのサンゴ礁の発達課程が観察できる。
 このような地層は、沖縄など昨今のサンゴ礁域では普通に見られる地層です。

 写真@Aを見ると、テーブル状や被覆状、� �状サンゴが、何層にも積み重なって地形(サンゴ礁)を形成して
 いるのがわかります。
 大きな隙間が空いているところには砂礫が詰まっていたものと思われますが、たくさんの空間があることも
 わかります。
 
 根といわれる数十mの円錐状で成長するサンゴ礁は、礁池や礁原部等とはそこに生息する生物も限定され、
 島礁縁部に成長する。
 サンゴ礁とは部分的に違いがあるようですが、サンゴとオニヒトデ等の生物間共生に違いはありません。
 その場所において、多くのサンゴが生息し続けた場合、このようにサンゴが堆積して成長することはできません。
 海洋の環境変化や海水面上下動など、サンゴ礁を成長させる為には、サンゴの上にサンゴが何層にもカバーして
 いくということが� ��要だということが分かります。


火星はどのようなものですか?

 温暖化(海面上昇)などが進んだり、海水中に溶け込んだ二酸化炭素濃度の上昇、多くのサンゴ自身にダメージが
 与えられた場合など、様々な要因が考えられますが、サンゴはサンゴ礁を造るというその作業を早めなければ
 ならなくなります。もちろん、それは自然なもので、自然の仕組みとして組み込まれているものなのでしょう。
 サンゴだけではこの仕組みを早めたり、遅くしたりすることはできません。
 そこに大量のオニヒトデが登場し、サンゴ礁の成長を加速させる助けをしているのかも知れません。
 
  1998年に起きた長期的な海水温上昇でダメージを与えられ、多くのサンゴが白化現象を起こし、サン� ��が
 死滅。その後、サンゴが危機を発する小規模な白化現象を繰りかえしていますが、'07年以降に行われた
 大規模、大量の農薬(ヤソジオン等)使用、畜産(牛および牧草地)の急激な増加、ミニバブルと呼ばれた
 乱開発などで、陸からの更なるダメージが加えられ、サンゴは危機的な状況におかれてしまっています。
  

写真@

被覆状サンゴ、塊状サンゴが何層にも積み重なる
写真A

卓上サンゴの上に卓上、塊状サンゴが積み重なる
写真B

小さな岩などに付着したサンゴが
,何層にも積み重なり成長する

◎本当のことを知ろうよ!

・オニヒトデが好んで食べるサンゴは、希少種や生育に年月のかかるサンゴを含みません。
 好んで食べるサンゴは著しく成長の早い非造礁性サンゴのシコロサンゴ、ミドリイシ類。

・オニヒトデは、けっして一定地域以外のサンゴを食べ尽くしません。
 また、世界の海洋全域にはいません。
 主に、大量発生が報告されている地域は、人間が住む島で、そこに河川が海に流れ出している流域との
 研究報告があります。
 
・サンゴを食べるオニヒトデにとっては、私たち人間よりもずっとサンゴが大事なのです。

・環境の悪化さえなければ、オニヒトデがサンゴを食い荒らしても、3〜8年経てば、必ず元の環境に戻ります。
(海域、� ��件により変わります) ('98年大規模白化現象以降の観察から導き出したものです)
 しかし、すでに人間による環境汚染の影響がない所はこの地球上には残っていないとのことですが。。

・サンゴ礁の発達には、オニヒトデは欠かすことの出来ない絶対に必要な生物です。
 (近年知られつつあるさんごの病気やサンゴの世代更新や発育の限界に達したサンゴ礁を、ほぼ一掃し、
 次の世代に繋ぎます)

・魚やサンゴ礁に生きる生物の数や種類が激減してきているのはオニヒトデのせいではありません。
・実際にオニヒトデ駆除を続けている地域では、完全に駆除しきれないばかりか、いつまでもオニヒトデが
 数多く見掛けられています。
 (果たして駆除の効果があるのか、自然な推移なのかは決して人 間にはわかりません)
 もちろんオニヒトデ駆除を続けても、漁獲高は減り続けています。

・目に見えない海洋汚染もかなり進んでいます。目に見える現状だけではなく、そこに潜む問題も総合的に
 考えなければいけません。
 降雨により流出する赤土は沖縄のサンゴ礁地域では大昔からある土壌であり、その流出は繰り返されています。
 そして、サンゴはその土壌環境地域に大昔から生息していますので、多少、短期の赤土流出はサンゴにとって問題
 ではありません。
 問題は、赤土とともに流れ出る農薬や有機質、毒を常に溶かしまき散らすことで貝や藻類の付着を防ごうとする
 船底塗料
(直接サンゴ等のいる場所で毒がまき散らされている)など。
 目に見えない物質が長期的 、決定的なダメージを与えています。

・これ以上、人間が経済優先・目先だけのことを考え、自然を破壊する行為は許されません。
 自然界にない物を作ったり、地球環境のバランスを崩している私たち人間は、もういい加減にしないと人間のみならず、
 地球に生きるほとんどの生物をも死滅させてしまうことになるでしょう。
 
 じわりじわりと地球自体が人間の活動や生存自体を拒否するようになることでしょう。
 (人間の体と同様に、地球自体にも乱れた環境や秩序を元にもどそうとする力があります)

・オニヒトデにより、一時期に一部海域のサンゴ礁はダメージを受けますが、サンゴ礁の発達で考えると必要なことかもしれません。
 サンゴ礁(自然)のバランスが崩れ始めているところに、オ ニヒトデを駆除するということは、さらに環境破壊に拍車を掛けることとも
 考えられます。

・しばらく我慢して、別の近くにある素晴らしいサンゴ礁に出掛けて下さい。
 環境汚染の影響がない限り、数年後にその場所は、以前にも増して素晴らしいサンゴ礁が見られることとなるでしょう。
 先を見越した場合、必ず後悔しない結果となることでしょう。

・まだサンゴ礁のある海では環境に対する自己回復力が残されています。目先のことだけを考えずに、その力を信じて下さい。
 ('98年サンゴの白化現象時から回復した地域の変遷を見てみれば確信できるでしょう)

・逆に、環境汚染が進み、サンゴが減っている地域に残るサンゴを守ろうとすることに、その意義があるかも知れません。
 ただし、そのような場所にオニヒトデが大量発生することは基本的にはありませんが。。。

・また、自然の一部ととらえ、サンゴとオニヒトデを観察するというエコロジカルな観光の方法も考えられます。

※どうしても、経済的な問題で、自分(たち)のサンゴ礁を守りたいのであれば、観光や漁業で必要とされる海域のサンゴ保護目的
 での部分的で徹底したオニヒトデ駆除または排除(陸でいう畑のように必要なところを管理する)が必要なのかも知れません。
 しかし、数年、または十数年おきに保護海域を変更することが望ましいことでしょう。

オーストラリア グレートバリアリーフでは...
・研究の進むオーストラリアでは、これまでの研究から「世界中で洪水が起きた後にオニヒトデが異常繁殖している」ことが報告。
 陸からの有機栄養塩類等が流れ出し、それが栄養となり稚オニヒトデのエサとなる藻類が増加し、本来生まれた中の1%ほど
 しか大きくなれないはずのオニヒトデが、エサが豊富になり、多くの幼生及び稚オニヒトデが生き残れるようになると考えられて
 いる。
 その研究結果から、2005年以来オーストラリアでは国をあげて陸域からの土壌等の流出防止と、オニヒトデの幼生や稚オニ
 ヒトデを食べる魚の減少を防ぐためにサンゴ礁域に多くの禁漁域を設けた。

 これらの対策による効果、結果はまだ出ていないが、有効な対策となるであろう。
 しかし、一部に問題が残っ� �いて、たんに藻類が増加しただけで、あれほどまでにオニヒトデが増加するだろうか?
 あとはこの部分の解明が待たれるばかりとなった。


 グレートバリアリーフでは、初夏に起きるサンゴの産卵は基本的に小潮の時に起きるとのことです。
 地元研究者は、潮流で遠くまで運ばれる必要がないためと推測されています。
 

 
新たな疑問 (基本であり、私が忘れていただけですが)
・なぜオニヒトデは体中あんな大きな棘だらけの守備を固めているのか。。
 基本として、生物は攻撃目的での武装はしません。自分の身を守るための防御として、毒や棘などを持っています。
 一部、食料として決められた獲物を捕らえる為に毒や武器を用いる生物もいますが、決して他の生物に危害を加える
 目的で持っているものではありません。
 例えば、魚類の場合、トゲや毒を持ち必要以上に武装している魚は、そのほとんどが格別に"うまい"魚といえます。
 また、機敏に動けないなどの進化・適応をし、捕食者から身を守るために武装しています。
 
 では、さていったい何故オニヒトデはあんなトゲだらけになったのでしょう。
 現状でいえば、天敵といわれるホラ貝は絶滅に近いぐらい減 少しています。
 以前はホラ貝がそんなに沢山いたのでしょうか。しかもホラ貝はオニヒトデの棘などまったく気にしていないかのように
 捕食しています。
 必ず、天敵となる捕食者や外敵がいるはずです。
 その天敵がすでに絶滅しているのかどうかはわかりませんが。

 2011年7月
 オニヒトデを何度もひっくり返していて、答えが見えてきました。
 サンゴからはがしてひっくり返すと、すべてのオニヒトデが凄いスピードで丸くなり、ウニのような格好になる。
 多くのヒトデそうであるように弱い腹部を出来るだけ露出させないように進化・適応してきたということ。
 短時間で一気にサンゴを捕食するためには内蔵をできるだけ多く露出しなければならない。
 その為、体の下半分の約8 0%以上に胃袋を出せる状態にしてサンゴを捕食する必要があった。
 体の中で一番弱く、食べられる可能性がある腹側を守るため、簡単にひっくり返されたりしないように、あのような
 棘を付けているようだ。
 
 サンゴが生息しにくい環境(主に紫外線,塩分・ph濃度,海水温など)においては、褐虫藻と同じようにサンゴと共に
 生きているオニヒトデにとっては住みにくい環境となるようだ。
 夏場は礁池部やそこから直接流出する高海水温に曝される場所では見掛けられず、冬場は比較的暖かい海水温
 であったり、安定した海水温の保てる場所や水深に集団で生息しているのが見掛けられた。
 



補足説明  (1998年の白化現象時以降2002年までの観察から) 
 サンゴ虫が分裂や出芽で増えていく無性生殖では、いつまでも健康(正常)な細胞でいることは不可能です。
 サンゴ虫の細胞はどれぐらいの間、正常(健全)な状態なのかわかりませんが、ミドリイシやシコロの仲間に
 おいては、それほど長くはないと推定されます(数年から長くても二十数年)。

 ただし、オニヒトデが嫌う塊状サンゴについては。サンゴが回復不可能なまで食べ尽くすとは考えられません。
 また、その類のサンゴは数百年から数千年という単位で成長し続けていますが、常に世代更新を繰り返して
 いる細胞状態なのかもしれません。
 
 白化現象とオニヒトデの大発生は重要な共通した部分があります。
 環境の悪化によるサンゴの白化現象で死滅するサンゴの多くはコモンサンゴとミ� ��リイシ類などの成長が
 著しく早いサンゴです。同様にそれらはオニヒトデが好んで食べるサンゴでもあるのです。


 
 サンゴの白化時、塊状サンゴ等の成長が遅く、分裂・出芽のみで成長するサンゴは、99%以上の

 細胞(サンゴ虫)を一旦死滅させ、ごく一部の部分でサンゴ虫が生き延びます。
 そして、環境が回復した時点において、急速な分裂を繰り返し、死滅した部分にサンゴ骨格がカバーします。
 
 また、高海水温の影響より、紫外線、乾燥、低温の影響の方がサンゴ虫にダメージを強く与えている可能性
 が高いようです。

'05年、インドネシアで、サンゴと同じ仲間であるある種のイソギンチャクがオニヒトデを食べ尽くす映像を
 日本のTVクルーが撮影に成功。

 

八重山周辺海域の観察から  2003年冬
普段、サンゴ礁域に見掛けられるオニヒトデはパイロット(センサー)的な存在で、サンゴの環境変化を知るため
に存在している。サンゴに生育阻害や何らかの変化があった場合、オニヒトデは大発生を引き起こすものと思われる。

また、オニヒトデ異常発生がみられない普段通りのサンゴ礁環境において、2003年9月石垣島太平洋側礁池部で、
10数m離れて生息するオニヒトデとマンジュウヒトデを観察した結果、オニヒトデの周囲のサンゴには食害された
痕跡がまったく見られず、マンジュウヒトデは観察し続けていた昼間、常にサンゴ虫を捕食し続けていて、マンジュ
ウヒトデの移動経路上のすべてのサンゴが食害されていた。
2004年、2005年も同様の観察結果。こ� ��地域にいるヒトデだけの特異な現象であろうか。

2007年6月、異常なほど八重山のサンゴが産卵している。また観測している場所でオニヒトデの増加、サンゴの白化
現象が見掛けられるようになってきた。
(オニヒトデ増加が見掛けられるのは、太平洋側は礁池内、東シナ海側は礁外縁部)。東シナ海側では食痕跡の
 確認のみで個体発見していない)
1998年以来のサンゴ礁でのサンゴの更新が起きるのかも知れない。
また、2007年春先から数年おきに起きる野ネズミ大発生が起き、大量の農薬が下水、畑に撒かれ、更に除草剤も
大量に使用された。
これらによるサンゴ等海洋、海浜生物に与える影響は我々の想像を絶するものとなっていることでしょう。
結果は、2008年の夏に現れるものと考えています。
 

老化したサンゴ、傷や異常(遺伝子や染色体)を持つサンゴ、これらのサンゴやそのサンゴ礁環境を元に戻し、サンゴ礁を発達させることが出来るのは、人間ではなくオニヒトデです。

また、環境を取り戻そうとするのなら、新しいものを加えていくのではなく、加えていったものを取り除くという作業が必要なのではないでしょうか。

 


オニヒトデについての資料
現状や、実際の調査状況をみることができます。
オニヒトデの異常発生及びサンゴ食害状況調査報告書
財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー  平成11年度


人工化学物質が、造礁サンゴの生育に与える影響について
WWF-ジャパンが調査する船底塗料や農薬に含まれる人工化学物質の影響調査


 



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