高齢者に起こりやすい熱中症や低体温症を防ぐ対策方法をご紹介します。
監修:入來 正躬(山梨大学名誉教授)
高齢になると、気温の状態を正確に判断しにくくなる。
季節によって快適に感じる温度が異なる
若い人は、暑い季節でも寒い季節でも快適に感じる温度はほぼ一定です。しかし高齢者が感じる快適温は、暑い季節は高め、寒い季節は低めになる傾向がみられます。
高齢者は、暑さ、寒さを感じる能力が低下しており、また体温を調節するからだの反応が充分でない傾向があるため、熱中症や、からだが冷えきってしまう低体温症にかかりやすくなります。
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高齢者の熱中症には、周囲の人が気を付けて。
熱中症になりやすい条件がいっぱいの高齢者
高齢者の熱中症を防ぐには、一般的な注意に加えて、高齢者はとくに熱中症にかかりやすく、熱中症になりかけていても、その危険を本人が感じにくいということを考える必要があります。
したがって、高齢者自身が熱中症にならないよう気をつけることはもちろん、周囲の人が充分に気をつけてあげる必要があります。
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高齢者は家にいても低体温症になることがある。
おそろしい「老人性低体温症」にご注意
雪山で遭難したときは「偶発性低体温症」になりますが、高齢者の場合は、そんなにひどい寒さにさらされなくても同じ状態になることがあります。これを「老人性低体温症」とも呼びます。
寒さでからだの深部の温度が34℃くらいまで下がると、皮膚の血管が収縮して熱を逃がさないようにしたり、筋肉が震えて熱を作ろうとするのですが、高齢者はその働きが弱くなります。その結果、さらに体温が下がり続け、意識がもうろうとしたり、歩き方がぎくしゃくしたりし、やがて心臓発作を起こすこともあります。とくに糖尿病などの持病のある人では、注意が必要です。
高齢者が低体温症になったら、家庭で手当てするのは困難です。毛布などをかけ、すぐに救急車を呼んで病院で治療をする必要があります。
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監修者紹介
入來 正躬(山梨大学名誉教授)
1960年東京大学医学部大学院修了。フンボルト奨学生としてドイツ・マックスブランク心臓研究所に留学。山梨医科大学生理学教授、山梨県環境科学研究所長を経て、ひかりの里クリニック理事長・院長。
入來先生からのメッセージ
人は高齢になると、若かったころと比べて、いろいろな機能が衰えてきます。しかもその機能の衰えは一様ではなく、たとえば神経伝達速度の衰えは90歳でも10%程度しか低下しないのに対し、腎臓の機能は半分にまで低下します。
高齢者は、単なる「衰えた成人」ではなく、機能条件の変化にたくみに対応し、それなりに「健康に」生きている存在といえます。
体温調節においても、高齢者には普通の成人とはかなり異なった面があります。高齢者が健康な形で日常を過ごすために、その体温に関する知識を有効に活用していただければ幸いです。
体温は、ご家庭にある体温計で誰でも気軽に測れるもっとも身近な体調チェックの手段です。
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