2012年5月30日水曜日

小河正基 (准教授)


小河正基 (准教授)  English

駒場キャンパス16号館801B室

 

専門分野 地球型惑星進化の数値モデリング

 地球や金星・火星のように固い地面のある惑星(地球型惑星)内部のマントルと呼ばれる岩石でできた領域では、岩石の流動による対流運動が起こっている。このマントル対流は、地球のようにプレート・テクトニクスという形で地表面からあらわに見えることもあり、また、火星や金星のように、地表面付近の冷たく固い岩石の殻の部分(リソスフェア)は全く動かず、その下の温度が高く柔らかい部分でのみ起こる場合もある。


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このような様々な様式で起こるマントル対流は、火山活動や地球の場合の大陸移動・造山運動などのテクトニックな活動の大枠を形作るとともに、惑星内部の熱を外界(宇宙)に逃がし惑星内部を撹拌することによって、地球型惑星の内部構造の進化をも引き起こしている。現在の地球におけるマントル対流の様子は近年、地震波を用いたトモグラフィーにより、おぼろげながら見え始めている。私は、この時としてプレート運動を伴って起こるマントル対流と火成活動をコンピュータの中で再現することに成功し、この数値モデルを地球型惑星の進化の研究に応用している。図には、数値シミュレーションから予想される、現在と進化の初期段階にあったと期待される最初期の地球のマントルの様子の違いを示す。

現在以下の問題に特に興味を持って研究を行っている。


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(1)大陸が急に成長・安定化した25億年前の太古代・原生代境界前後は、地球のテクトニックな活動がその様相を大きく変えた地球史の一つの重要な節目の時期として知られている。この時期、マントルの熱・化学的状態やマントル対流の起こり方はどのように変化したのか、テクトニックな活動様式の変化とマントルの進化はどのように関わっているのか。

(2)プレートテクトニクスの起きていない火星や金星の内部はどのように進化したか。特に、火星ではなぜTharsisと呼ばれる一地域のみでしか継続した火山活動が起きなかったのか。地球とほぼ同じ大きさ、平均化学組成のマントルを持っていながら、金星ではなぜプレートテクトニクスが起こっていないのか。なぜ地表面の大部分は5〜10億年より若いのか。よく言われるように、この時期金星の表面の大部分を溶岩が覆うような巨大な火成活動が本当にこの時期起こりえたのか。

(3)地球のマントルは、現在の海洋の水の十倍以上の水を吸収できるのに、なぜそうならずに、地球に海が存在するのか。


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(4)表層環境、特に水の存在は、地球・火星・金星で大きく異なる。この違いは、これらの惑星の内部進化にどのような影響を及ぼしたのか。また、惑星内部進化は、惑星の表層環境の進化とどのように関わってきたのか。

 

 

過去に指導した修士論文・博士論文題目

 

プレートテクトニクスの発現条件

プレート運動を伴う地球マントル対流のダイナミックスに関する数値シミュレーション

火星のマントル対流の数値シミュレーション

火山における爆発的噴火の数値シミュレーション

 

主要論文

Ogawa, M., Shear instabilityin a viscoelastic material as the cause of deep focus earthquakes, J. Geophys.Res., 92, 13801-13810, 1987.


Ogawa, M., G. Schubert, and A. Zebib, Numerical simulations of three-dimensional thermal convection in afluid with strongly temperature-dependent viscosity, J. Fluid Mech., 233,299-328, 1991.

Ogawa, M., The Plate-Likeregime of a numerically modeled thermal convection in a fluid withtemperature-, pressure-, and stress-history-dependent viscosity, J. Geophys.Res., 108, B2, 2067, doi:10.1029/2000JB000069, 2003.

Ogawa, M., Superplumes, plates, and mantle magmatism in two-dimensional models, J. Geophys. Res., 112, B06404, doi:10.1029/2006JB004533, 2007.

Fujita, K., and M. Ogawa, Basaltic accumulation instability and chaotic plate motion in the earliest mantle inferred from numerical experiments, J. Geophys. Res., 114, B10402, doi:10.1029/2008JB006222, 2009.

Ogawa, M., and T. Yanagisawa, Numerical models of Martian mantle evolution induced by magmatism and solid-state convection beneath stagnant lithosphere, J. Geophys. Res., 116, E08008, doi:10.1029/2010JE003777, 2011.

 



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