2012年5月4日金曜日

ペーパーマン非公式大会!  | 一起@くのブログ


 

                ―機械少女と狼の誇り―

 

                                          書写:Coo/クゥー

 

 

 壁の向こう側で銃声がなり、同時に仲間の絶叫が響いた。
 
 パピルス王国からLemの護衛を任された人獣部隊の部隊長であるカイは、壁に耳を当て、舌打ちをした。

 友人への悲しみからではない。自身の考えの浅はかさにだ。

「ッ、ここももうだめだな。おい! こっちいに来い! 急ぐぞ!」
 カイは動揺するLemの返事をまたずに、強引に腕をつかんで古城の奥へと駆け込んだ。

 古代遺跡で発見されたというLemの護衛を任されている人獣部隊は、旧パピルス城跡。古城で休息をとる事になっていた。放棄されているとはいえ、一度は王国を支えた城なのだから、それなりに手入れも行き届いており安全だった、からだ。

 今となっては、銃声と悲鳴が飛び交う戦場になっているわけだが。

(クソッ! ここまで敵の手が回ってるなんて)

 火薬の臭いがする通路を出来るだけ避けながら、カイはポケットに残っているSakoのマガジンを確認した。
 予備マガジン一つに手榴弾一つ。Lemの手を引くカイの左手に自然と力がこもる。

 角を曲がり、古城の奥へとただひたすらに突き進んでいく。
 カイに、この現状を打破する方法などはなかった。だが、ここでカイが立ち止まるとLemが死ぬ。

 カイには、必死に戦闘にならない道を嗅ぎ分けて進むことしか出来なかった。

 だから、古城の一室から彼女が出てきた時には、茶色の毛で覆われているはずのカイの顔が明らかに蒼白となって見えた。

「――ッ!」
 カイは本能的に、後ろに立つレムを壁際に叩き付け、腰からSakoを取り出し、構えた。相手は武装していない、それを理解する頃には全弾、マガジンに残っていた十二発の弾丸を打ち切っていた。

 薬莢が床を滑る。強烈な発砲音の後に通路を包む火薬の臭いとかすかな血の臭い。
  
 カイは確かにそれらの臭いを嗅いだはずだった。だが、しかし気がつくと視界は百八十度傾き、鈍い音とともに床に突っ伏していた。

「ぅぁ……」
「あんたねぇ、撃つときはしっかり相手の頭を狙え。って習わなかったの?」

(どういうことだ、……おい)
 動揺を隠せずにそのまま床に転がるカイ。をよそ目に胸元が大きく開いたスーツ姿の女性がLemにやさしく手を伸ばしていた。


どのように多くの主要な土地の地域モンタナ州はありますか

「大丈夫かしら?」
 Lemはしばらく女性の手を見つめて、感情の薄いお礼の言葉と一緒にその手をとった。 

「ええと、Lemでいいのよね? 私はリカ。リカよ、理解出来たかしら?」
 
「リカ、さん」
 小さく声を漏らしてから数秒の間、Lemはリカという人物から視線を離さなかった。

 リカの瞳にLemが写る。感情と言う物の見当たらない無言の視線に耐えかね、口を開こうとしたリカよりも早くLemが口を開いた。

「率直ですが、あなたは敵ですか? 見方ですか?」
 
 ためらいのない言葉を投げかけ、その反応をうかがうようにLemはリカを見据えた。 

(なんだか怖い子ね)
 今はパピルスという国の元で動いているイリーカ・パレッドだが、本来のリカの姿はスパイであり、敵か、見方か? という質問はそのリカという存在の本質を突いているように聞こえたのだ。

 動揺はしていない。ただ、リカはこの時からLemという存在に悪寒を感じはじめていた。女の勘とでもいうのだろうか。

「敵だったら?」

「カイがあなたを殺します」
 
 Lemの言葉にリカが振り返ると、激しい痛みから復帰したカイがSakoの銃口をリカの脳天に向けて狙いを定めていた。

「……あら? いつの間に。案外丈夫なのね」
「基本は、大事だよな」

 にんまりと顔を歪ませたカイは銃口を揺らし、リカに背を向けさせた。
 
 
「悪かったわ。ジョークよ、ジョーク。私はあなたたちの見方よ」
 壁にキスする距離まで顔を寄せられた状態のリカは、両手を挙げ、参った。と手を揺らして降参の意思を示した。
「嘘だろ、俺の本能はお前を警戒している」
 カイはリカの意思を即座に否定した。「それに、お前は臭い」

「リカさん。よろしくお願いします」
 Lemは、積極的にリカに近づき、右手を伸ばした。「あなた方の挨拶は、手を合わせることから始まる。と聞きました」

「あら? ふふっ、よろしく。リカよ」
「おい! Lem、そいつは危ない。そこをどくんだ」

 リカは、獣人の中でも戦闘に特化している人狼のカイを素手で負かした。それも十二発の銃弾を避けて。
 人間の技とは到底思えない。カイでなくとも、警戒しない方がおかしいというものだ。

「丸腰の女性に危ないなんて、ずいぶん野蛮なわんちゃんね。なんども言うけれど、私はあなた達の見方よ」
 (まっ、正確に言えば、Lemの見方なんだけどね。変なことを言って撃ち殺されたらたまったもんじゃないもの)


南極の建物のどのタイプですか?

「はっ、銃弾を避けて向かってくる丸腰の人間が危険じゃないわけがないだろうが」
 
「それはあなたの腕の問題でしょ?」
「なに!」
「それに、私はすごく細いのよ」
 言葉の通り、彼女はすらりとしていてナイスバディだった。
(とかそういう問題じゃない!)

 〜〜〜〜

 二人、銃を構えたカイと丸腰であるリカの口論は、リカの勝利におさまった。

 丸腰の女に負けた。軍人としての誇りが傷ついた獣人は涙目ですねている。――Lemにはこう見えていた。
「カイさん」
「すまない、ほっといてくれ」

「はぁ」

 ため息をついたのはリカだった。
 今三人が居る場所は、古城の地下一階、宝物庫と言われる場所だ。

 宝物庫といっても、宝はすべて現パピルス城に移動されており、この部屋に残されているのは空のクローゼットに鎧一式、火の付いていない暖炉だけだった。

 リカが言うには、この暖炉には隠し通路があるらしく、実際にカイが暖炉を調べたらすぐにレンガと同じ色をした鉄の板を発見した。

 隠し通路がどこへ繋がっているのかは分からない。ただ、ここを通る以外に"二人"が生き残る方法はないだろう。
「あなたに頼みがあるの」
「……なんだ?」

 鉄板からほんのわずかだが、風の音が聞こえるのを確かめて、カイは返事をした。
「この脱出路、どう思うかしら?」
「あぁ? そうだな……」
 
 正直、非常時の隠し通路としてはそこそこに発見しやすい出来だ。暖炉に隠し通路、という考え方を持つ敵だっているだろう、それに敵の中にも獣人はいる。
 聴覚の優れた兎人なら暖炉から不自然に聞こえる風の音を聞き取られる可能性が非常に高い。

(暖炉に火が付いていたら別だが、な)
 
 さすがの兎人も火と風が混ざった音を聞き分けることなんて出来はしない。
 だが、それには一つ問題があった。
(この形の鉄板だと内から火を付けることは出来ないな。ある程度間をおかないとこっちまで熱で死んじまう)
 押し黙るカイに、リカはもう一度聞いた。

「あなたに、頼みがあるの」

 ――カイは、囮役となった。

 〜〜〜〜

 部屋の外からいくつもの足跡が聞こえる。人獣部隊最後の一人となったカイは、まだ火の付いていない暖炉へ視線をやった。

 数分前には、あの鉄板からLemが顔をだしていた。
 
「カイは来ないんですか?」
「早くしないと死んでしまいます」
「カイ、あなたは私を護衛するのではないんですか」
「カイ……!」


羊のためにラテン系の名前は何ですか

 Lemは機械で出来ている。機械少女が泣くはずはない。今までだって、とくに激しい感情は見せていなかった。
 だから、最後のLemの言葉は、カイの心が揺れているせいで泣いているように聞こえた。泣いているように見えた。カイはそう思うことにした。

 〜〜〜〜

 これは、Lemとカイが初めて出会った時の記憶だ。
 数日前、部隊長であったカイは、獣人部隊を代表して護衛対象であるLemと顔を合わせた。

 見慣れない肌に、予想以上に小さいきゃしゃな体。古代遺跡から発見された謎の機械生命体、とあらかじめ聞いていたのだが、それでも驚きを隠せずにカイは言葉を捜して黙り込んでしまった。

 そんな中、口を開いたのはLemだった。
 
「これは? いったい……?」
 カイの尻尾を引っ張りながらLemは質問した。

「……? あぁ、俺の誇りだ」

「いいですね」
 感情のない言葉だったが、カイはそれでも自慢の尻尾をほめられて上機嫌だった。

「へ、へへへ」
 なんとも言いがたいうれしそうな声を出したカイだったが、「これは? 取れますか?」と、引きちぎる勢いで引っ張られた時には、さすがに怒った。

 尻尾をブンブン振りながら、カイは今ここへ来た理由をLemに伝えることにした。
「しばらく護衛をする、カイだ。よろしくな」
 部隊長というだけあって、少しは威厳がある。

「護衛ですか? あなたが私を守ってくれるのですが?」
「おぅよ!」
 胸をドンとたたいて、カイは誇らしげに言った。「俺たちが必ずお前を王国まで送り届けてやるぜ!」

 〜〜〜〜

「……必ず、か」
 カイの顔の毛並を一本一本伝うように、しょっぱい水が流れていた。
 
 これから死ぬであろう、自分に対してのやすっぽい涙なんかじゃない。約束を守れなかったことへの、男の涙だ。

 カイはSakoを握り閉めた。
 (そろそろ、だな)
 
 いくつかの足跡はこの部屋の前も通っていった。敵の手はすぐそばまで来ている。
 
 カイは、薪の置かれた暖炉にランプを投げ捨てた。リカがどこからかこしらえて来たランプだ。

(よく、燃えていやがる)

 ガラスの割れる音を聞きつけて、最初に部屋に入ってきた二人の頭を奇麗に打ち抜いた。

 

 射撃の基本だ。

 

―――――――――――――――――――――

※Sakoとは、PM内でいうRK95 TPの事です。分からなかった方、すみません(、、)

※古城=旧パピルス城なんていっちゃってます。古城は、PMでいうあの古城です。


※Dblue師匠/shuto65さん主催である【Lem】にまつわる小説ですが、カイ/ガイ主体となっている気がしてなりません。(愛です)

※読みにくかったら、すみません。

※総3,985文字です、長いです。申し訳ありません。

修正※言い忘れていました、〔〜〜〜〜〕これは場面切り替えです。

修正※言い忘れていました、題名は後付です。とくに意味はありません(苦笑)(英語ですらないという)

修正※"sako"なのに"soko"書いてました。誤字です。大変申し訳ありませんでした。

    教えてくださったDblue師匠、「なぜもっと早く教えてくれなかった」 (ありがとう)

―――――――――――――――――――――

読んで頂きありがとうございます。 犬夜叉丸/Cooといいます。

 

正直初投稿ブログがこんな黒歴史になるとは思いもよらなかった(笑)

 

shuto65さん主催である、【非公式小説大会】→

 内容は、

今北産業:

作品書いて

投稿して

待て

 

(コピペ、すんませんw)

 

これ以上、特になにを書いていいか分からない(。。)

 

と、いうことで。

 

このような非公式大会を主催してくださっているshuto65さん、がんばってください!

面白い作品がいくつも投稿されていたので、本当に楽しみです!

(正直、こんなにたくさん投稿する人がいてびっくりしました。

 PMがFPSなこともあって、『小説とか(苦笑)』な感じなのかと思っていました。

 ……ずいぶんかってな考えですね、すみません。)

 

                                       それでわ! 失礼しました。

 

 

 



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