オカヤドカリ飼育に必要なもの
シェルター
オカヤドカリは活動時間帯である夜間以外は、物陰などに潜んでじっと動かずに眠っています。
オカヤドカリといえば、「海岸を歩きまわっている生き物」というイメージが強いと思いますが、実際には隠れて眠っている時間の方がはるかに長いわけですから「物陰に潜む生き物」と考える方が適切です。
自然界では、海岸近くの茂みの中や石の下など直射日光の当たらない湿った場所に一匹あるいは数匹が集まって眠っていることが多いようです。
私の観察では、公園のゴミ箱の下や、石垣の隙間、道端に放置された木製パレットの下などでも見ることができました。
飼育下においても、このように落ちついて眠るための環境を用意してやる必要があります。
オカヤドカリは観賞用の生き物ではない
販売業者のサイトを見ると、4面ガラスの小型キューブ水槽や金魚鉢のようなガラス容器が、オカヤドカリ用飼育容器として紹介されていますが、「臆病で神経質な物陰に潜む生き物」を飼育するのに、このような容器が適切かどうかは考えるまでもないでしょう。
常に四方からのストレスにさらされる環境で、「臆病で神経質な物陰に潜む生き物」が長生きできるはずがありません。
繰り返し言いますが、オカヤドカリは陰性の強い生き物です。
あくまで静かに観察することを楽しむべき飼育動物であって、けっして観賞に適した生き物ではありません。
生き物の持つ本来の習性を無視し、インテリアや玩具として扱う行為に当サイトは強く反対します。
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シェルターとしての条件
では具体的にはどのようなシェルターを用意すればいいのでしょうか?
それにはまず、シェルターとして必要な条件を考えてみる必要があります。
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@適切な大きさ
シェルターは飼育個体やケージのサイズに合わせて適切な大きさの物を設置してください。
小さすぎて入れないのでは意味がありませんし、大きすぎると落ちつきません。
A安定したもの
オカヤドカリは意外と力が強く、軽いものなら簡単に倒してしまいます。
あまり重過ぎるのも危険ですが、ある程度の重さがあるほうが安定します。
B安全なもの
オカヤドカリは化学物質に弱く、気密性の高い飼育容器内では致命的なダメージを受けることがあります。
有害物質が溶け出したり、揮発したりする危険のある物は使用しないでください。
C外部からの刺激を遮断できるもの
当然のことですが、光を遮断して内部を暗くできなければシェルターとしての意味がありません。
また、ヒーターから出る余剰な放射熱を避けるという目的もあります。
自然界で太陽熱を避けて乾燥を防ぐのと同じことです。
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身近なもので工夫しよう
これらの条件を満たすものとして、まず挙げられるのは植木鉢でしょう。
ザリガニや爬虫両生類飼育のシェルターとしてもよく利用されています。
吸水性の高い素焼き鉢は、脱皮直後の個体には危険だという指摘もあるようですが、ナキオカヤドカリやムラサキオカヤドカリは、通常砂の中に巣穴を掘って脱皮をしますので、脱皮直後の個体がシェルターに触れるという状況は、脱皮そのものに問題があるといえます。
もっとも、わざわざ素焼き鉢を選ばなくても、シェルターとして利用するのなら、普及タイプのダオン鉢で充分です。
もちろん、割れて捨てられた物があれば、それを利用すれば良いでしょう。
また、流木や石サンゴの骨格などの自然物を組み合わせると落ち着いた感じのビバリウムになりますし、木切れや陶土などで自作してみるのも楽しいかと思います。
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愛好家のブログを拝見すると、シェルターの選択にもっともよく個性が出るようです。
最低限の必要条件を満たしていれば、あとは飼い主それぞれのセンス次第ですから、いろいろと工夫してみてください。
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※自作する場合、接着剤で板を貼り合わせた合板は避けてください。
シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒトなどの有害性はご存知の事と思います。
気密性の高いケージ内で、このような化学物質が揮発すれば生体に深刻な影響を与えかねません。
またスギやヒノキなどの針葉樹も注意が必要です。
針葉樹独特の香り成分は総称してフィトンチッドと呼ばれていますが、これは針葉樹が昆虫や細菌から身を守るために、揮発させている物質です。
人間にはリラクゼーション効果が認められていますが、小さな生き物には危険です。
また、ケージ内に金属イオンを持ち込む危険性が指摘されていますので、工作は面倒になりますが、釘などは使用し ないほうが安心です。
「石の下」のススメ
ここまでシェルターを「部屋」という概念で考えてきましたが、生息地でオカヤドカリを観察していると、石の下などの隙間を掘り広げて無理やり潜り込んでいることがあります。
これは部屋というより「布団」の概念に近いと思います。
飼育下でもレンガなどを組んで「石の下」を演出してやると、自分で穴を掘ってシェルターを作ります。
この「石の下シェルター」は、そのまま脱皮場所にもなりますので、たいへんに機能的です。
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登り木
オカヤドカリは歩脚の先端にある鋭い爪を利用して、岩や低木などによく登ります。
管理人の観察では、気圧が低くなると高い所へ登ることが多いようです。
飼育下においても流木などを利用してレイアウトを組んでやると、立体的な行動を楽しめるでしょう。
また、何本かを組み合わせて物陰を作れば、シェルターとしての機能を持たすこともできます。
ここで、iは、通常のチーズを作るための手順を見つけることができます
流木
オカヤドカリの登り木として、もっとも良く使われるのが流木です。
海岸へ出かけたときに、貝殻と一緒に探してみてください。
飾り物になるような珍奇な形の物はめったにありませんが、単純な枝切れくらいなら簡単に見つかるはずです。
長時間波に揉まれて真っ白になった物がおすすめです。
海岸近くに落ちていたものであれば、特に洗う必要はないと思いますが、私はその場(海)で、軽く汚れを落としてから持ち帰っています。
生木
身近で手に入る剪定屑なども、登り木として利用できます。
ただし、オカヤドカリは木の皮を剥いで食べることがありますので、殺虫剤などの危険のないものを選んでください。
公園などは定期的に薬剤散布をすることが多いので注意が必要です。
捨てられている木の枝には虫が入っていることがありますので、気になるのなら、使用前に下処理をしておきます。(虫がついている方が却ってオカヤドカリには安全だといえます)
鍋で煮れば確実でしょうが、そこまでしなくても、しばらく水に浸けておくだけで充分です。
我が家では、たわしでこすり洗いした後、海水に1週間ほど浸けこみ、天日でよく乾燥させてから使用しています。
塩味の付いた木の皮は、オカヤドカリのおやつにもなります。
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